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2月25日

 乳濁織部(にゅうだくおりべ)とは何ぞや? という声が多数(約1件)寄せられたので、今回はそれについてちょっと説明しようと思います。

 まず織部についてですが、これは戦国時代の武将であり茶人でもあった「古田織部」という人物が語源です。美濃(今の岐阜県)の人物で、彼が好んだ陶器を総称して「織部焼」と呼んでいました。中でも、銅を用いた緑色の釉薬が特徴的だったことから、その釉薬を特に「織部釉」と呼びます。

 次に乳濁について。これは釉性状のひとつです。釉性状とは、釉薬の基礎的な風合い(性質)をいくつかに分類したもので、例えば「光沢透明」「乳白」「塩基性マット」などがあります。そのひとつである「乳濁」とは、表面は光沢があるけれど、中に白や青の斑紋や流紋が確認される、独特な釉性状です。

 ここまで書くとお気づきになるかもしれませんが、我々の使っている「海鼠釉」は乳濁釉の一種です。
 その海鼠釉に銅を加えるとどうなるか? もちろん緑色の釉薬になるのですが、それは光沢透明や半マットの釉性状をもつ織部釉とは異なる雰囲気となります。つまり、乳濁織部釉です。
 ただし、織部系の釉薬は酸化焼成で焼かなくてはいけません。我々の海鼠釉は、還元〜弱還元焼成で焼いております。単純に、海鼠釉も乳濁織部も同じ窯で一緒に焼き上げることはほとんどできないところに、更なる難しさがあります。

 長野県に、松代焼というのがあります。そこの窯元は乳濁織部を得意としていると聞きます。釉薬の原料を見ても、我々と非常に似たものを使ってますので、興味のある方は記憶にとどめておくとよいかと思います。

2月21日 いい天気

 昨日の雑記の冒頭に「春よこいこい」と書いたのには、実はもうひとつ理由がありました。新釉薬、乳濁織部の成功祈願です。

 明日と明後日、取引先(問屋さん)の見本市が開催されるのですが、それに先立って「なるべく多くの新商品を出してくれ」と依頼されました。例年そこそこは新商品を出品してるのですが、今年はさらにお客さん(小売店)の目を引きたいようです。それで、形状や色使い(釉使い)のバリエーションを増やしたサンプルを多数製作してきました。

 そんな中、今回特に力を入れているのがバリエーション豊富な「スリムタンブラー」と「冷酒大ぐい呑み」の春夏秋冬シリーズです。特に後者の場合は、4種類の釉薬の使い方によって「春」「夏」「秋」「冬」をイメージしようという戦略なのですが、なにぶん既存の釉薬だけでは「春」を表現するのに無理がありました。地元の原料を主体にした釉薬となると、なおさらのことです。
 そこで、新しい釉薬として「乳濁織部」なるものを作ろうと思ったわけですね。しかも一発勝負で。この乳濁織部なる釉薬、緑色をした海鼠釉といってもいいぐらいの深い色合いになる(はずの)ものです。そして、それがうまくいけば自信を持って「春」を表現できるのでは、なんて期待も持ちながら今日の窯出しを迎えたわけなのです。

 結果。可もあり不可もあり。しかし、75点ぐらいはつけられそうです。明日、それを数点持って行ってお客さんの反応を確かめてきます。また、このwebサイトにも近々載せたいとも思っております。ご期待ください。

2月20日 春よこいこい

 先週、社員が一人辞めてしまいました。入社後9ヶ月にして急に辞意を告げられたのです。
 いちおう、やむを得ない急な事態を除いては、退職の意思を表明してからその効力を発揮するのは2週間後とされています。(1ヶ月前というのが一般的なマナーです)
 しかし今回は欠勤した初日に電話で辞意を告げられ、その後ずっと出勤しなくなってしまいました。

 本人からしてみると「急な、やむを得ない事態」なのでしょうが、会社的に見ると「急な、納得しがたい事態」です。せめてもっと前から分かっていたら、話し合いができていたら、違った方向に行ったかもしれません。少なくとも代替の従業員を募集することもできたでしょう。しかし、時期的なこと等を考慮して、代わりの募集はすぐには行わないことにしました。来月の登り窯およびその前の見本市や記念品ラッシュ、そして4月からの新入社員(内定済み)がいることから、今回退職する(した)人の代わりをすぐに募集しても説明・指導の時間確保に問題がありますし、能率的にも問題があるからです(説明する人、される人双方に)。

 結局、来月の登り窯は現在の体制で乗り切ることにして、人員補充は5月とか6月ぐらいになりそうな気がします。ということは、人手不足にヒィヒィ言いながら何とか乗り切った去年3月の登り窯の状況と一緒なのかもしれません。進歩がないというか何というか。少なくとも、登り窯の準備は去年と同じぐらいの苦労が予想されます。え〜と、誰か心優しい方がおられましたら、手伝って下さってもかまいません。

 雪に苦労し、物産展に苦労し、風邪に苦労し、人手不足に苦労した後にやってくる春が待ち遠しくてなりません。

2月15日 さいきん暖かく

 頑張って更新するはずが、10日以上空いてしまいました。これも全部雪が悪いのです。

 物産展から帰ってきてから、実は病と闘っておりました。病名はなんと!

カゼ。

 (*)薬を飲んで横になる
→少し回復する
→寒い仕事(雪下ろし、屋根裏の補強など)に駆り出される
→カゼがぶり返す
→(*)に戻る

 という悪循環が続いてました。しかも、雪が積もると満足にインターネットにつながらなるという、デジタルなのかアナログなのかよく分からない状況になっているのです。(この辺はそのうち説明します、たぶん)

 まぁ何はともあれ、2〜3日前ぐらいから何とか回復してきたし(全快とはいきませんが)、雪にまつわる懸案事項もほとんどが解消されたので、ようやく通常の仕事に戻ることができました。
 そして、目下の目標は来週に迫った「見本市」用の品物作りです。問屋さんが主催で行われるこのイベントには、全県から小売屋さんがわんさか集まります。各小売屋さんは、そこに展示された商品を見て発注するわけなので、ヘタなものは展示できませんし、何より新商品の格好の宣伝機会でもあります。問屋ルートにおける1年間の注文を左右するイベントなので、絶対に手は抜けません。なのに、雪下ろしやら風邪やらで、気づいたら残り1週間じゃありませんか。やれやれ。

2月4日 寒波のち寒波

 今月は頑張って更新するぞー!おーっ!。(とりあえず、気持ちだけでも)

 最近の寒さはさすがに身にこたえます。最高気温すら氷点下の日々が続いているため、物産展で1月のほとんどを関東ですごしてきたワタクシの身体はいつの間にか南国(?)仕様になってしまったようです。

 その南国仕様なワタクシですが、同時に理系仕様であることに気づかされたのは、藤沢の物産展期間中に他店の販売員(もちろん秋田県人です)と飲みに行ったときのことでした。

 お手洗いに行ってから席に戻ると、唐突に「『きゃど』って何だが知ってるが?」と聞かれたのです。で、とっさに「Computer Aided Designの略」と答えたら、周りは笑う人半分、あきれ顔半分、キョトン半分。(全部足すと1.5倍の人数になってますがな)

 秋田弁(といっても全域ではなさそうですが)で「きゃど」と言うと「道路」のことです。もともとは「街道」が訛って「きゃど」になったのではないかと想像しております。が、いきなり「きゃど」って言われたら普通、「CAD」のことだと思いますって。ええ、絶対。
 思わない? そんなぁ。

 ちなみに、CADとはコンピューターを使ったデザインのこと、あるいはそのソフトウェア。建築や機械部品など、手書きではとてもできない形や面倒なデザインを中心に幅広く利用されております。たぶん。


2月3日 寒波ときどき雪

 みなさま、空けましておめでとうございます。そうです、「更新の間」が空いてしまいました。

 いやぁ、気づいたら前回の更新が12月じゃありませんか。サボるにもほどがあります。というかですね、12月は物産展準備で忙しく、1月は物産展で忙しく、ついでに雪寄せとか雪下ろしとかで忙しかったり、あんなことやこんなことがあって気づいた頃にはもう節分だった、という有様なのです。やれやれ。

 さてその物産展、イロイロなことがありました。新宿にはピンクのナマハゲ(みたいな人)が来てたし、渋谷にはウーパールーパー(みたいな人)が来てました。藤沢には極端なお客さんは来ませんでしたが、販売員の中に極端な秋田県人がいて感動してきました。
 楢岡焼の売れ行きについては、(新宿以外は)久しぶりの出店ということも考慮すると決して悪くはなかったのですが、お客さんの好みが多様化してることを再認識させられました。具体的に言うと、「持ってこなかった商品に限って欲しがる」というのがかなりあったのです。正直、我々の商品選定が誤っていたとは思っていません。陶器を含む日用品が極度に多様化・肥大化した現代では、個人個人の好みにピンポイントでマッチした商品を買うようになってきたのでしょう。今回持っていった商品は75〜90種類ほどありましたが、これ以上増やすのはちょっと厳しいように思えます。

 というわけで、次回の物産展からは「コレ持ってきて!」というような品を募集しようかと思います。そうすればお客さんも満足、我々も万歳、百貨店もうれしい、という何とも素敵なビジネスモデルの完成です。ビジネスモデルというほど大げさなものではありませんけど。


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