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9月12日

 現在、登り窯を改修工事中なのです。その様子を写真撮影し、ドキュメントとして当サイトに掲載しようかと思ったりもしましたが、あっけなく諦めてしまいました。デジカメが壊れたのです。
 というわけで、登り窯改築がいかに大変な作業なのかは皆様に勝手に想像していただくとして、今回はナマコについて書いてみようかと思います。

 ナマコというと、その身を酢の物にしたり、このわたやこのこに加工したりといった印象があるかと思います。
 そのナマコ、現在中国では人気が高騰しているそうで。特に日本産の天然ナマコは価格が跳ね上がり、密猟が後を絶たないのだとか。
 そのような理由から、ナマコビジネスに新規参入しようと試みる業者が多くいるであろうことは想像に難くありません。


 一方、同じナマコでも焼物に使われる「ナマコ釉(海鼠釉)」となると、前述のナマコとはガラリと様子が変わってきます。懸命な読者はお分かりかと思いますが、海鼠釉は原料にナマコを使っているわけでもなければ、「なま子」さんが命名した釉薬でもありません。その昔、一部の釉薬が「ナマコの肌合いに似たマダラ模様」を呈したことから海鼠釉と名づけられただけであって、マダラ模様のない海鼠釉(ナマコの肌合いに似てない釉薬)だってたくさんあるのです。


 そんな中、本日一通のメールが届きました。
 内容は、【 当社は中国に海鼠を販売してます。日本から輸入したいです。貴社の海鼠の品種、サイズ、価格などの資料を送ってください。サンプルを送ってください。】(抜粋、一部修正)
 というもの。

 まるっきり送る相手を間違ってますね。
 というか、どうせ「ナマコ」「なまこ」「海鼠」で検索して、ヒットしたサイト宛に片っ端から同じ内容のメールを送ったんだと思いますが。

 また、ちょっと気になるのは「中国 海鼠を販売してます」という文句から、この会社は中国以外の国にあることがわかります。そして、「日本から輸入したい」という文句からは、この会社は日本以外の国にあることがわかります。ということは、この会社は韓国あたりにあるんでしょうかね。あるいは北朝鮮とか...
 なんとなく、これは中国の会社で、メールを作成した人が日本語に十分慣れてないだけのような気がしますが。


 まぁこの件は笑っておしまいなんですが、おそらく世間には笑えない間違い、つまり「海鼠釉はナマコからできている」と思っている人が少なからずいるのではないかと思います。ちょっと考えれば、釉薬名=原料名 でないことぐらい、すぐ気づくと思うのですがね。
 たとえば、

・柿釉=原料に柿は使っていない
・飴釉=原料に飴は使っていない
・辰砂釉=原料に辰砂(硫化水銀)は使っていない
・天目釉=原料に(中国にある)天目山は使っていない
・織部釉=原料に古田織部さんは使っていない

 というふうに。


 勝手な想像は、ときに事実と異なる場合があるのでご注意ください。と、冒頭と矛盾してきたところで今回の文章は終わりにしたいと思います。

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